木かげの家の小人たち

今年度の記念すべき一冊目.
ユリイカでの上橋・荻原対談にて,上橋さんが好きだったとおっしゃっている一冊.ということで,読んでみた.
ファンタジー歴が浅く,“小人”慣れしていないせいなのか,読んでいてずっと違和感がありました.同誌にて荻原さんが評するように,確かに戦争文学であるけれど,なぜ小人?唐突じゃね?

荻原 私は『木かげ』はすごく上質な戦争児童文学だとは思うけれど、ファンタジーとしてはあまり評価できないんだな。やっぱり寓話的で、小人が守っていかなきゃいけないもののシンボルになっていて、能動的な部分がすごく狭められている。そらいろの小びんからミルクを飲まないと生きていけない小人というのは見たくないんです。もっと一個の生き物として生きていく小人が見たかった。

ティティ・ラン<オコジョを駆る狩人>にはリアリティを感じるのに,アッシュ家の人々には最後まで馴染めず.
ベランダに居座るハトは嫌いなのだが,ハトの弥平はお気に入り.