NHKスペシャル 日本の群像 再起への20年 第4回 極小コンピューター 技術者たちの攻防

途中からしか見られなかったけど興味深かった.31日(0:15〜)再放送.

 1984年、誰もが簡単にコンピューターを使えるようにと東京大学坂村健氏が開発した基本ソフト「トロン」。しかし、無料提供を目的にしたトロンは、89年にアメリカから貿易障壁のリストに挙げられ、普及中止に追い込まれる。結局、90年代のパソコン市場は、世界標準を握ったアメリカ製の基本ソフト「ウィンドウズ」に支配されることになった。

 挫折から15年。日本は今、次世代のコンピューター社会の核になるといわれる超小型コンピューター「ICタグ」の世界標準をつかもうとしている。5年後に30兆円を超える巨大市場になると見られるICタグは、世界中の技術者の注目の的。日本は、パソコン市場での失敗を教訓に、省庁やメーカーがプロジェクトを組んで、標準化に取り組んでいる。その切り札となるのは、95年以降存在感を増した、ISO(国際標準化機構)で、日本の提案を認めてもらうことである。

 なぜトロンは挫折したのか。グローバル化で激しさを増す技術競争を生き抜く鍵は何なのか。トロン敗北の経緯とICタグを巡る世界標準化の攻防を追い、21世紀の日本の技術戦略を探る。