【26】決断力

4047100080決断力
羽生 善治

角川書店 2005-07
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印象に残った箇所.

  • 定跡にも間違いがある
  • 知識は単に得られればいいというものではなく,知識を積み重ねていく中で「知恵」に変えないと生かすことはできない.
  • 何かを「覚える」,それ自体が勉強になるのではなく,それを理解しマスターし,自家薬籠中のもにする―その過程が最も大事なのである.
  • 「将棋を指すうえで,一番の決め手になるのは何か?」と問われれば,私は,「決断力」と答えるであろう.
  • ・・・直感によってパッと一目見て「これが一番いいだろう」と閃いた手のほぼ七割は,正しい選択をしている.
  • 全体を判断する目とは,大局観である.一つの場面で,今はどういう状況で,これから先どうしたらいいのか,そういう状況判断できる力だ.本質を見抜く力といってもいい.その思考の基盤になるのが,勘,つまり直観力だ.直観力の元になるのは感性である.
  • 決断とリスクはワンセットである.
  • 私は,積極的にリスクを負うことは未来のリスクを最小限にすると,いつも自分に言い聞かせている.
  • ミスには面白い法則がある.たとえば,最初に相手がミスをする.そして次に自分がミスをする.ミスとミスで帳消しになると思いがちだが,あとからしたミスの方が罪が重い.そのときの自分のミスは,相手のミスを足した分も加わって大きくなるのだ.つまりマイナスの度数が高いのだ.
  • 今は創意工夫に熱意を燃やす人はもっと報われない.将棋の差し手に著作権はない.新しい手や新しい戦型を創造した人として名前は残るが,どんなに独創的な戦型や差し手でも真似のし放題.
  • 私が,将棋を上達するためにしてきた勉強方法は,初心者のころも今も変わらない.基本のプロセスは,次の四つだ.
    • イデアを思い浮かべる.
    • それがうまくいくかを細かく調べる.
    • 実践で実行する.
    • 検証,反省する.
  • 何かに挑戦したら確実に報われるのであれば,誰でも必ず挑戦するだろう.報われないかもしれないところで,同じ情熱,気力,モチベーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり,私は,それこそが才能だと思っている.
  • 私は,年齢とともに勉強法を変えることは,自分を前に進めるための必須条件だと考えている.

“直感の7割は,正しい選択をしている”というの見て,茂木健一郎さんがbpspecial ITマネジメントにておっしゃっていた,

経営者も最終決定は無意識に委ねるべきでしょう。知識やデータなどをすべてインプットした後で、最後の最後は直感でいくというのが一番正しいやり方です。

と同じことなのかなと感じました.