【3】すらすら読める風姿花伝
先に読み終えた“「老いる」とはどういうことか”の最後に,免疫学者多田富雄さんとの“「老い」をめぐって”という対談が掲載されています.多田先生の名前は「免疫の意味論」を通して存じてましたが,能へも造詣が深く「無明の井」という脳死を題材にした能の作者でもあるとのこと.そしての対談中,「初心忘るべからず」の言葉が世阿弥のものであること知り,突如世阿弥に興味が.原文で読むのは辛そうだったのでこの本に.
多田 「初心忘るべからず」というのも有名な言葉ですが、初心にも三種類の初心があって、若いころの初心その時々の初心、それから老後の初心というのがあると世阿弥の著書『花鏡』に書いてありますね。老後の初心というのは、体力がなくなったとしても年代に応じた新しい工夫をすることによって常に創造的であり続けることができるという意味です。
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